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米国から国外追放されたギャング組織の容疑者を収監する、エルサルバドルの刑務官ら。2025年3月16日、エルサルバドル大統領府提供=ロイター

 米ワシントンの連邦地裁は16日、トランプ政権がギャング組織のメンバーだとして大量の移民を国外追放したことをめぐり、地裁からの差し止め命令を「意図的に無視した」と結論づけた。さらに、法廷侮辱罪で訴追する可能性もあると警告した。

  • 【これまでの経緯】トランプ政権がギャング追放、地裁の差し止め従わず 法廷闘争に発展

 トランプ政権はこれまでも、自らの政策を差し止めようとする司法判断に反発し、法の支配が危ぶまれていた。だが、刑事犯である法廷侮辱罪の適用が検討される事態にまでなったのは異例の展開だ。

 問題となっているのは、政権が3月15日にベネズエラのギャング組織「トレン・デ・アラグア」のメンバーらとされる250人以上を国外追放したことだ。

 国外追放は違法だとする移民らの訴えを受け、地裁は同日に追放を一時的に差し止める命令を出した。この時点ですでに移民を乗せた航空機は離陸済みだったが、地裁は原告らを米国に連れ戻すように命じていた。たが、政権は航空機を引き返させることはせず、そのまま中米エルサルバドルの刑務所へと引き渡した。

 連邦地裁のボアズバーグ判事…

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